茨城県大子町に日本三名瀑(めいばく)の…


 茨城県大子町に日本三名瀑(めいばく)の一つ、袋田の滝がある。久慈川の支流滝川にかかっていて、高さ120㍍、幅73㍍の大きさを誇る。周囲の景色も素晴らしい。

 滝は樹木に囲まれて4段になっている。岩壁は急峻だがなめらかで、水が滑るように落ちていく。淵で止まり、また落下して次の淵に至り、表情を変えて落ちるという具合で、下の滝ほど幅が広くなる。

 新緑の季節もよく、紅葉の季節もいい。そして今、滝は7割が薄く凍って、冬の姿を見せている。氷瀑は気象条件によってできない年もあるようだが、凍結した滝を見物に来る観光客は多いのだ。

 袋田の滝では、第2観瀑台が2008年9月にオープン。第1観瀑台の44㍍上の所に第1デッキ、48㍍上に第2デッキ、51㍍上に第3デッキができた。上に登るに従って滝の姿も変わり、全体が見えるようになる。

 現在、日没から夜8時までライトアップされている。単に光を当てるのではなく、全17色が30パターンに変化していく。それに合わせて、シンセサイザーの静かで幻想的な音楽が人々を魅了する。

 ライティングを手掛けたのは相羽政明氏で、観光客のスイッチ操作で色彩が変わる仕組みになっている。音楽の担当はKAITO(ヒロシワタナベ)氏。岩壁を覆った氷が色とりどりに輝く光景は、まさに現代アート。大自然をカンバスにして、冬の夜ならではの幻を見せてくれる。