失言による大臣や副大臣の辞任が珍しいこと…


 失言による大臣や副大臣の辞任が珍しいことではなくなってしまっている。最近は政治家の発言に対するチェックが厳しい。失言者への追及は厳しいが、密告者が言及された話は聞かない。その理由は分からない。

 告発者は、初めから失言狙いで、準備万端整えた上で会場に侵入する場合もあるだろうし、そんな意図はないまま、政治家の発言を聞いた上で失言と断定し、告発する場合もあるだろう。

 失言が生まれる場所も、3人の会場であれば、本人以外は2人なのだから漏れる可能性は低い。しかし大人数の会場であれば、漏洩(ろうえい)の犯人探しは困難だ。

 最近の録音機器の発達も漏洩を手助けしている。新しい元号の決定に際して、関係者のスマートフォン等の一時預かりが実施されたのは記憶に新しい。そのくせ元号の決定後、落選した元号案はあっさり露見した。「決定後はご自由に」との意向が示されたのかもしれない。

 非公開の場で重要な決定がなされ、しばらく経(た)ってからの「あの時、実はこうだった」といった類いの話はよくある。その場にいた人が決定の経緯を語りたがるのは自然だ。決定の場ではなくても、大勢の人がいれば悪意を持った者の侵入を防ぐことは難しい。

 1000人規模の会場で、スマホ等を預かるのも困難だ。身近な人々の会合であっても「スパイがその場に紛れ込んでいる可能性がある」との前提で発言するぐらいしか失言防止の手だてはなさそうだ。