新元号の発表がいよいよ2日後に迫り、昨日は…


 新元号の発表がいよいよ2日後に迫り、昨日は安倍晋三首相が皇太子殿下に複数の原案をお伝えしたようだ。新元号に対する国民の関心が高いのは、実生活に影響を及ぼすだけでなく、新しい御代に託す願いが込められるからだ。

 元号の制定は、かつては天下の時間と空間を支配する中国皇帝の特権だった。それが三国時代の朝鮮では、王が独自の元号を定めるようになった。

 新羅の法興王が、初めて独自の元号「建元」を制定したのは536年。日本初の元号「大化」が定められたのは645年だから、日本より100年以上前だ。高句麗では4世紀後半の好太王の時代に「永楽」の元号が用いられたことが知られており、さらに古い。

 しかし、新羅も唐の冊封体制に入ってからは、唐の元号を使うことになる。648年、唐に朝貢した新羅王の使者に皇帝の御史(秘書官)が「新羅は唐に臣として仕えているのに、なぜ別の年号を使っているのか」と詰問され、新羅は650年に中国の年号である「永徽」を用いることになる。

 唐の力を借りて半島を統一した新羅だが、代償は小さくなかった。その中国も辛亥革命で清朝が倒れて元号制度は廃止された。

 日本の元号は、東アジア3国では最も後発だったが、今も本来の意味で使用されている。それは何より、国の独立が保持され皇室が存続してきたからである。そのことを国民は理解している。だから新元号に関心を持たざるを得ないのである。