世界日報 Web版

ごく私的な話で始めることをお許し願いたい…


 ごく私的な話で始めることをお許し願いたい。寒の入りとなったところで、愛用していた電気あんかが壊れてしまった。早速家人を一駅隣の電気量販店に買いにやらせたところ、以前は置いていたが今はないという。

 ホームセンターにあるかもしれないと、家人が向かっている途中に小さな電気屋があった。入って聞いてみると、あるという。「このあたりはお年寄りが多いから、置いているんです」とは店の人の話。

 気流子も電気製品はほとんど量販店で買っていたが、この時ほど町の電気屋さんのありがたさを感じたことはない。気になったので東京・新宿に本店のある量販店に、電話で電気あんかがあるか聞いたところ、置いてあるというので少し安心した。それでも近所の店になければ、電車に40分ほど乗って新宿まで出ないといけない。

 昨夏の暑い盛りに田舎に帰省した折、家のエアコンの調子がおかしいので、町の電気屋に駆け込んだ。あいにく店主は一日中、エアコンの取り付けや修理で出払ったままだった。この店が高齢者の多い田舎町でどんなに重宝がられているかが分かった。

 国道沿いに電気量販店は幾つかある。しかし、かゆいところに手の届くようなサービスは期待できない。

 2000年に大店法が廃止され、大型店の進出によって町の小売店が次々と消えていった。しかし今、予想を超える高齢化の進展で、小売店に新しいニーズが生まれているのではないか。