今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代…


 今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)が発表され、「そだねー」が年間大賞に選ばれた。一方、お隣の中国でも文芸誌「咬文嚼字」が選ぶ今年の十大流行語が発表された。1位は「運命共同体」。

 習近平国家主席が外交方針として唱えた「人類運命共同体の構築」が由来という。ならば、当局による弾圧が激しさを増すウイグル人の運命をどうするんだと問いたいところで、額面通り受け取められる言葉ではない。

 選考に習政権への忖度(そんたく)(昨年の日本の流行語大賞)を感じてしまうが、そうでないものもある。例えば8位に入った「仏系」。北京時事電によると、独りの時間を好み恋愛にも消極的な男性を指す日本の「仏男子」に由来する。

 気流子は、日本で仏男子なる言葉が若者の間で流行していたことを、この記事で初めて知った。そんな言葉が中国にまで伝わるというのは、インターネットで国境を越えて伝達される情報量の多さを示していると言えよう。

 仏系について、同誌は「人生に高望みしても仕方ないという若者の自嘲」という見方を紹介している。肯定的な側面もある仏男子に対し、否定的ニュアンスが強そうだ。経済格差、政治的自由の制限など体制への不満も影響しているのだろう。

 経済的に豊かになると、国を問わず男子は草食化するのだろうが、東アジアの若者たちに共通意識が生まれつつあるとすれば、相互理解への明るい材料とも言える。