「もみくちやに洗ひゐるなり汗の顔」(三條…


 「もみくちやに洗ひゐるなり汗の顔」(三條羽村)。じっとしていても動いていても暑い季節。シャワーを浴びても、すぐに汗が噴き出す。洗濯した衣類も、部屋干ししてもわずかな時間で乾く。

 酷暑が続き、ものを考えるのもおっくうになってしまう。外出となれば余計に暑さがこたえる。酷暑の夏も酷寒の冬も過ごしにくい季節である。

 体力の衰えた高齢者は熱中症で倒れることも多い。クーラーや扇風機を積極的に使うことを勧められても、高齢者の中には電気の無駄遣いを恐れてためらう人もいる。

 熱中症は人間だけのものと思ったら大間違いのようだ。犬も熱中症になるので飼い主も気を付けて、という話をインターネットで見た。ハアハアと苦しそうに息をしたり、うろうろして落ち着きがない様子を見せたりした時は熱中症かもしれないという。

 確かに、犬やネコなどのペットが人間と共に生活していると人間と同じような病気にかかる話はよく聞く。生活習慣病のペットも少なくない。食生活や環境などの影響が動物たちをひ弱にしていると言っていい。ペットを連れた老夫婦の姿を見掛けることがあるが、衣服を着せたりして、まるで子供のように見えてしまう。

 人間とペットが家族に近い関係になっているということかもしれない。核家族化や少子高齢化という状況も、それを後押ししている。時代の変化の中でも、家族を大切にしてきた日本の良き伝統は守っていきたい。