「これよりの梅雨の憂き日の一日目」(稲畑汀子)。…


 「これよりの梅雨の憂き日の一日目」(稲畑汀子)。気象庁が6日、近畿、東海、関東甲信地方の梅雨入りを発表した。といっても「梅雨入りしたとみられる」という曖昧な表現。

 だらだらとした印象の梅雨にはぴったりだ。確かに梅雨入りから雨模様の年もあるが、そうでないこともある。なかなか分からないのが季節の変わり目だ。大地震や台風など自然が秘めたエネルギーを爆発させる場合も、その時期や規模は予測し難い。

 最近では、米ハワイ島のキラウエア火山やグアテマラのフエゴ火山が噴火した。特にハワイでは、ハワイ州最大の淡水湖グリーンレイクに溶岩が流れ込み、湖水があっという間に蒸発。この湖は水深が一時61㍍に達していたというから、驚くべき事態と言っていい。

 火山の噴火で地形が変化した事例は、日本でも富士五湖などが挙げられる。だが、現在進行形のドラマとしてはあまりお目にかかれない。自然はさまざまな面で恵みを与えてくれるが、時には鋭い牙をむくこともあるのが恐ろしい。

 天変地異を科学的に予測できれば、自然災害による被害を最小限に食い止められるだろう。だが今のところ、予測が確実ではないのが残念である。

 現在の世界情勢も流動的で分かりにくい。政治の世界では「一寸先は闇」とよく言われる。12日に開催される史上初の米朝首脳会談も、世紀の快挙となるのか、それとも尻すぼみになるのか。これまた息をのむ思いで見守るしかない。