<めだかの学校は 川の中 そっとのぞいて …


 <めだかの学校は 川の中 そっとのぞいて みてごらん みんなで おゆう
ぎ しているよ>。茶木滋作詞、中田喜直作曲の「めだかの学校」は、小学1年
生が習う歌だ。学校に通い始めた1年生が、自分たちとメダカを重ね合わせるよ
うなところがある。

 童謡「サッちゃん」の作詞者で作家の阪田寛夫が、中田に直接聞いた話と
して、一度曲を作ってから、ある人の勧めもあり「そっとのぞいて みてごら
ん」のところを繰り返すように改めたということを、『童謡でてこい』の中で紹
介している。それがよかったという。

 「春の野原に来て、めだかがいそうな川をみつけた。足音を立てても、め
だかは逃げる。だからそっとのぞいてみる。見えない。もう一度乗り出して、声
も立てずに目だけを走らせてみる。……あ、いたいた」という様子。繰り返しに
よって「時間の経過と心の緊張」が示された。

 単純なようで繊細な表現を持った歌だ。歌にあるようなメダカの姿を、昔
は小川や田んぼの用水路でよく見掛けた。

 だが、農薬の使用やコンクリート護岸などで激減。2003年には絶滅危
惧種に指定された。メダカの保護や復活にさまざまの環境保護団体が取り組んで
いるが、今の小学生が「めだかの学校」を自然の中で見るのは難しくなっている。

 その点で、歌のイメージが子供たちにどれだけ伝わるのか気になるところ
だ。それでも先生が、昔見た光景を語ってあげれば環境教育にもなるだろう。