世界日報 Web版

<去年今年貫く棒の如きもの>。人口に膾炙…


 <去年今年貫く棒の如きもの>。人口に膾炙した高浜虚子の句である。正月三が日が過ぎ、世の中が動き出すと、昨年からの課題が「貫く棒の如きもの」として目の前に現れてくる感じがする。

 新年のニュースは、相変わらず北朝鮮関係が多い。金正恩朝鮮労働党委員長が「新年の辞」で「核のボタンが事務室の机の上にいつもある」と言えば、トランプ米大統領はツイッターで「私にも核のボタンがあるが、彼のものよりずっと大きくて、強力だ」と応じる。

 こんなやりとりが今年も当分続くだろうが、新しい年が新しい運気をもたらす可能性もある。9日に北朝鮮と韓国の高官級会談が板門店で約2年ぶりに開かれることになった。平昌冬季五輪・パラリンピック期間中は米韓合同軍事演習を実施しないという。

 北朝鮮としては米韓の間にくさびを打とうという狙いもあるだろう。いずれにしても今年は北朝鮮の核・ミサイル問題が煮詰まってくる。

 ところで冒頭の句は、読む人の世界観や、その時の心持ちによって、いかようにも解釈し、味わうことができる。大岡信氏の捉え方などは、気流子のように世俗的、現実的ではなく、哲学的、宇宙的だ。「新春だけに限らず、去年をも今年をも丸抱えにして貫流する天地自然の理への思いをうたう」との解釈である。