さて、今年は誰かな? 来週は10月2日の生理学…


 さて、今年は誰かな? 来週は10月2日の生理学・医学賞から始まるノーベル賞週間である。人類に恩恵をもたらした発明や発見に与えられる最高の栄誉の受賞者が発表される。

 日本は昨年、生理学・医学賞を受賞した大隅良典・東工大栄誉教授まで、物理学賞、化学賞を合わせた自然科学3賞の受賞者は22人を数える。ここ3年間は連続受賞しているほか、2000年から17年間で17人は米国に次ぐ2位。平均で毎年1人が受賞している計算となる。

 勢い、今年もと期待は膨らむ。実際、受賞候補の予想で定評のある米情報調査会社が化学賞の有力候補とした宮坂力・桐蔭横浜大特任教授(新型太陽電池の開発)や、今年のガードナー国際賞を受賞する遠藤章・東京農工大特別栄誉教授(血中コレステロール値を下げるスタチンの発見)ら候補者は目白押しと言っていい。

 受賞ラッシュは、4年連続の快挙の有無にかかわらず、まだしばらくは続こう。だが一方で昨年来、大隅教授らが警鐘を鳴らしている現状にも目を向けたい。

 「私の研究は、20年前に始めた研究の成果。浮かれている場合ではない」と危惧する日本の研究レベル低下の指摘だ。それを示す兆候も出ている。

 日本発の論文数が相対的に減っていることも、その一つ。大学や研究機関で手っ取り早く結果を求める成果主義が強まり、地道で独創的な研究が難しくなった結果との指摘もある。受賞だけの一喜一憂はもう卒業しないと。