気流子だけがそう思い込んでいたのだろうか…


 気流子だけがそう思い込んでいたのだろうか、意外なデータであった。自動車乗車中の交通事故の致死率が、どの座席で最も高いのかを警察庁の調査を基に読売新聞(3月29日付夕刊)が報じている。

 致死率は昨年、後部座席が0・36%、運転席が0・32%、助手席が0・27%だったという。「安全」と思っていた後部座席が最も高く、高いだろうと思っていた助手席が最も低い。思い込みは打ち破られた。

 運転席と助手席の致死率の低下は、両席のエアバッグ普及が大きく影響した。これに後部座席のシートベルト着用率の低さが加わった。このため平成21(2009)年以降は、後部座席の致死率が最高になった。

 国別の後部座席のシートベルト着用率はドイツ98%、英国87%、米国73%など欧米では70%を超えるのに、日本では36%と際立って低い。

 ~心がはずむ<はる>だから 守ろうね! 交通安全~は、明後日からスタートする春の全国交通安全運動(15日まで)のキャッチコピー。その四つの重点の一つは、全ての座席でシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底――だ。ちょっとした身を守る心掛けが、事故に見舞われた際の明暗を大きく分けるのだ。

 今年の4分の1が過ぎた3月末までの全国の交通事故による死者は873人。1年間で3904人と67年ぶりに4000人を下回った昨年同期との比較で58人の減少は、月平均で約19人減とまずは順調な出だしだ。