日暮れが早足でやって来るようになった。…


 日暮れが早足でやって来るようになった。北の地では氷が見られるようになるという二十四節気の「寒露」が今月8日、湿り気も露から霜に形を変えていくとされる「霜降(そうこう)」が23日で、暦の季節ははや晩秋である。

 しばらくは夕暮れ時がぼんやりとしてものが見えにくくなる。<子供と高齢者の事故防止>を基本とした「秋の全国交通安全運動」は先月末に10日間の運動期間にひと区切りをつけたが、運動の重点とした「夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の事故防止」には引き続き注意を払いたい。

 ところで、今年の期間中に起きた交通事故による死者は103人であった。これは昨年の同じ期間より17人少なく、統計の残る昭和29(1954)年以降で最少記録である。

 1年の4分の3の区切りとなる先月末までの交通死者は2758人で、昨年同期より147人減少した。昨年は年間では4117人だったから、あとは月ごとの年間ワースト3である残る3カ月が交通死者3000人台達成の大きなカギを握る。

 これから人がどっと外に繰り出す秋の行楽シーズン、師走、年末と飲酒の機会も増える危険な時期が続く。交通事故も多発期となるから油断は禁物だ。

 事故死も昨年は10月391人、11月379人、12月が442人を記録している。3000人台は達成すれば快挙だが、そのためには残る3カ月の交通死者が少なくとも昨年を上回らないことだ。