覚醒剤所持容疑で逮捕された人気男性デュオ…


 覚醒剤所持容疑で逮捕された人気男性デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA容疑者。尿検査で覚醒剤と合成麻薬MDMAの陽性反応が出たが、本人は所持を否定している。

 「チャゲアス」の通称で、1990年代に「SAY YES」や「YAH YAH YAH」など次々とヒット曲を放ち、若者の心を掴(つか)んできただけにファンの失望と憤りは大きい。

 覚醒剤の出所は明らかでないが、警察当局は「メキシコ産などの覚醒剤が日本に大量に入り込み、末端価格が下がり、入手しやすい状況になっている可能性がある。ファッション感覚で使用する傾向にある」と分析。薬物汚染は、芸能人だけでなく社会に瀰漫(びまん)しているという見方だ。

 統計を見ても、昨年1年間の覚醒剤押収量は約859㌔(前年比78%増)と大幅に増加、覚醒剤事犯の検挙者は1万1000人を超えた。インターネットで違法薬物の入手方法はたやすく見つかると言われ、主婦層にも汚染が広がっている。

 低年齢化も特徴的で、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所が5万人を超える中学生を調査したところ、幻覚や興奮作用を起こす「脱法ドラッグ」を使ったことがある生徒は120人に上り、うち約6割が覚醒剤や大麻を使用していた(昨年5月発表)。

 薬物汚染はなかなか表面化しにくいが、これ以上拡大しないように敢然と阻止しなければならぬ。