住宅火災で高齢者が死亡するケースが目立つ…


 住宅火災で高齢者が死亡するケースが目立つ。先月29日、仙台市太白区の無職男性(77)の木造2階建て住宅1棟が全焼し男性と妻(76)、同居の長男(52)と見られる遺体が見つかった 。

 同22日には山梨県北杜市の男性(52)宅から出火し、同居の母親(82)と妹(49)が死亡。15日深夜には東京板橋区で火災が発生、火元の住宅から93歳と88歳の夫婦が救助されたが搬送先の病院で死亡した。5人家族で他の3人は外出中だったという 。

 65歳以上の高齢者のいる世帯は毎年増え続け平成22年現在、全世帯の42・6%を占めるようになった。その中の単独世帯、親と未婚の子のみの世帯は増加傾向にあり、単独世帯と夫婦のみを合わせると半数を超える。火災の被害は、この統計数字を映し出すかのようで、痛ましさが募る 。

 さらに「老老介護」という言葉が広く知られるようになった。文字通り高齢者が高齢者を介護せざるを得ない状況のことで、夫婦だけでなく親子の場合も多い 。

 例えば、要介護者のいる家庭で65歳以上の高齢者同士が介護者、被介護者の関係にあるのは45・9%、75歳以上同士も25・5%に上る(同22年)。在宅介護に支障がないよう、介護保険のサービス充実が急がれる 。

 明るいデータもある。近在の住民が自発的に参加する非営利組織(NPO)が訪問介護サービス部門で、全国事業所の5・7%を占めている(平成24年)。その割合を増やしていきたい。