アニメで若者向け選挙広報


地球だより

 フィンランド議会の総選挙が14日に行われる。公共放送YLEがSNSで若者向けに選挙広報動画を配信しており、日本人にとってちょっと興味深い。

 政治に関心が薄い若者たちの投票率アップを促すためにアニメを作成しているのだが、登場するキャラクターが日本のアニメのキャラクターをもじっているだけではなく、音声も日本語でフィンランド語の文字訳を付ける“日本製”仕立てなのだ。

 悪役「低投票率」はどことなく漫画「ドラゴンボール」の登場人物、フリーザーかピッコロに似ているし、無関心の魔力にかかってしまう若者たちは学ランとセーラー服の男女。日本アニメの随所に登場する制服姿は北欧にも浸透したようだ。

 そこへ各党の党首たちがアニメ化されてヒーロー風に登場し、悪役たちとバトル。若者も覚醒され「低投票率」と闘う。身近にいる女子たちに聞くと、「一風変わってて面白い」「いいアイデアだ」など反応はまずまず。

 YLEの選挙用動画は日本アニメのファンが多いフィンランドの若者たちの間で受けており、先回の大統領選の時も登場した。日本でも18歳投票が始まったが、このくらいアニメとゲーム感覚の選挙広報を考えてもいいのではないか。

 さて、現実の選挙戦はというと、各政党がそれぞれの政策を発表し、選挙日に向けて熱を帯びているが、日本と違い宣伝カーや街頭演説もなく町の中は静かなものだ。

(Y)