新年の願い事


地球だより

 エルニーニョの影響もあり、ブラジルは猛暑だ。イパネマのビーチで知られるリオデジャネイロでは40度を超える日もあり、あまりの暑さから湾内の魚が大量死し、廃棄処理すると13トンに及んだ。

 夏の年末年始のバカンスシーズンに入り、最大都市サンパウロの近郊にある海岸沿いは人であふれ返っており、車の渋滞も何キロも続く。

 猛暑といえども、ブラジル中部以南においては、北部アマゾン地域の耐えられないほどの暑さではない。また、日本の湿度が高く体力を奪われるような夏とも違い、海風の吹くビーチの木陰や森林内のキャンプ地などは、バカンスを十分に楽しめる気候である。

 凍えるような気候の日本で新年を迎えている人々にしてみれば、なんともうらやましい話に聞こえるかもしれない。ただし記者にとっては、ブラジルの年末年始を味気ないと思うことも。

 もちろん、真夏に迎えるブラジルのクリスマスも決して悪くない。街中の飾り付けや教会の雰囲気など、カトリック教徒が多い南米ならではの雰囲気が漂う。一方、年越しと年明けは日本のそれとは全く違う。

 新年のカウントダウンが始まる時間になると、ブラジルの各都市では花火が盛大に打ち上げられ始める。街中の至る場所で花火が打ち上げられるので、部屋の中にいても耳をつんざくような大音響が鳴り響くほど。賑(にぎ)やかな新年の迎え方もいいが、年越しの夜に除夜の鐘を聞きながら年越しそばを静かに食べる、それが記者のささやかな夢だ。

(S)