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米は研がない


地球だより

 イスラエル人の主食は、パンだけでなくパスタや米などバラエティーに富んでいる。米は全て輸入で、ロングライスやラウンドライスを鍋で炊くのだが、必ずと言っていいほど油を使い、塩やスープのもとを入れるなどして味を付けるのだ。

 それでも、ユダヤ人は日本風に炊いた白いご飯をも喜んで食べる。一方、味を付けないご飯はおいしくないとアラブ人の誰もが言う。

 話を聞いて共通するのは、どうやら米はとがないらしい。目の前で日本式に米をといで見せると、どれだけ米を洗うんだと驚いていた。

 さまざまな輸入米がある中で、オーストラリア産のジャポニカ米が一番口に合う。よくといで炊けば、ご飯はさほど問題なく食べられる。日本のものほど味も香りも期待はできないが、近年の寿司(すし)ブームなどから海苔(のり)や醤油(しょうゆ)、味噌(みそ)などの食材も手に入る。

 とんかつが無性に食べたくなったりもしたが、イスラエルにはユダヤ教の食事規定(コーシェル)によって、豚肉はないものと勝手に思い込んで諦めていた。ところが、ロシア系の店にあるとの情報を得て、ロシア語で書かれた看板の店に入ってみた。ロシア語が飛び交う店内をくまなく探していくと、目的の豚ロースの塊が牛や鶏と共に並んでいた。

 とんかつにキャベツの千切り、醤油ベースの手作りソース。冷凍のスケトウダラで出汁(だし)をとったワカメの味噌汁に炊きたてご飯。願いかなって至福のひとときであった。

(M)