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前近代的な国鉄スト


地球だより

 現在、フランスではフランス国鉄(SNCF)による大規模なストライキが数日ごとに断続的に行われ、通勤客だけでなく、観光客の足も奪い、物流も滞っている。理由は巨額の赤字を抱えるSNCFに対する政府の改革を阻止することにある。

 そのシンボルが、鉄道員が50歳で定年できる特権で、蒸気機関車時代に身体的負担を理由に獲得した権利。もう一つは鉄道利用の職員特別割引制度。年間150億円相当の恩恵を受けている。

 フランスでは2013年4月からSNCFが運行する高速鉄道(TGV)の格安列車ウィゴーのサービスが始まり、ネット予約のみの最小限のサービスで運行されている。格安運賃で移動が可能になり、鉄道版LCCとして大人気だ。

 労組は、これらの改革をつぶすために今回、3カ月間もストを続ける構えだ。政府は鉄道員の特権の変更は新卒採用からとしているが、組合は「そんな約束は信じられない」と息巻いている。

 実は、仏航空会社エールフランスもストライキを行っている。パイロットたちは待遇改善を主張しているが、欧州の他の大手航空会社に比べ、フライト時間は短く、給料は高いという事実がある。

 フランスはデモやストライキの博物館ができるのではというほど、抗議デモが多い。時代の変化に、まったく適応しようとしない旧態依然とした共産党系労働組合は、国民の支持を失いつつある。

(M)