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ペサハの期間限定食品


地球だより

 ユダヤ教の祝祭日の中で最も重要な祭りの一つである「過ぎ越しの祭り(ペサハ)」が3月30日夜から始まった。ユダヤ暦ニサン月15日から1週間続くこの祭りは、ユダヤ民族がエジプトでの400年間の奴隷生活を逃れ、カナンの地に出発したことを記念する。

 祭りの1週間前から、ユダヤ人の家では、部屋中隅々まで徹底的に掃除をして、パン種が取り除かれる。期間中は、小麦粉や膨らし粉が入っている製品は一切置かないし、食べない。これは、ユダヤ民族がエジプトを脱出する際、パン種を入れずにパンを焼いたことに由来する。

 スーパーマーケットでは、小麦粉はもちろん、パスタやスナック菓子などの商品にはカバーがされて買うことができない。その代わりにマッツァと呼ばれる種入れぬパンが店頭に並ぶ。わが家の娘たちは、この薄いクラッカーのような期間限定食品が大好きで、チョコレートクリームやデーツシロップを塗り、喜んで食べていた。

 ペサハの始まりの夕食儀式(セデル)では、家族、親族、友人が集まり、夜通しハガダという冊子を読み、その順序にそって食べ飲み歌う。ユダヤ人の友人家族は今年、砂漠のベドウィンのテント村でセデルを祝ったという。

 一方、この休日に国外へ旅行するユダヤ人も多い。ペサハ初日から数日間に、国民の1割以上が利用するテルアビブ空港は大混雑。去年、6時間も出発を待ったという知人のユダヤ人夫妻は、今年も国外へ出掛けた。

(M)