北朝鮮、9日にも核実験か


挑発的な姿勢変わらず

ビル・ガーツ

 北朝鮮がまた弾道ミサイルを発射し、今回は日本上空を通過させた。その一方で米情報機関は、北朝鮮北東部の大規模な地下核実験場での動きが活発化していることを明らかにした。6回目の核実験の準備とみられている。

 米当局者らによると、核実験は早ければ、北朝鮮の建国記念日に当たる9日にも実施される可能性があるという。

 米情報当局者が記者(ビル・ガーツ)に明らかにしたところによると、北朝鮮は2016年初め以降、核活動をかつてない水準まで引き上げ、「これまでに、この挑発的な姿勢が変化したことを示す兆候は見られない」という。

 その上で「北朝鮮は事前にほとんど知られることなく核実験を実施する能力を持っている。米国は地域の同盟国と密接に連携しながら、韓半島情勢を監視し、分析している」ことを明らかにした。

 米情報機関は、核実験がまもなく実施されるとみており、この情報は韓国の政府と記者団らにも提供されている。米当局者によると、核実験は4月に実施する予定だったが、中国からの圧力を受けて延期された。

 トランプ政権は北朝鮮に圧力を掛ける政策の一環として、中国に対して金正恩政権に影響力を行使するよう強く求めてきた。北朝鮮の貿易の90%は中国との間で行われている。

 核実験準備の証拠には、技術者や車両の動きを撮影した衛星写真も含まれているとみられ、豊渓里核実験場の2カ所の地下道に核弾頭が設置された可能性を示唆している。

 近年の核実験で掘られた地下道の大きさの分析から、さまざまな型のミサイルに搭載可能な小型核弾頭の開発が進められているとみられている。

 米政府は北朝鮮の長距離ミサイル、核兵器の開発に対し、新たな経済制裁を科すなど、外交圧力で対抗している。北朝鮮に核・ミサイル開発のための物資を違法に輸出したとして、財務省が中国とロシアの企業10社と6個人に制裁を科したばかりだ。

 米当局者によると、米政府は中国に対し、北朝鮮に核実験を中止させるよう極秘に要請したという。