ロシア流 年末年始の過ごし方


地球だより

 ロシアのクリスマスは1月7日。この日が、ロシア正教でつかうユリウス暦の12月25日なのだ。しかし、ロシアでも1月1日は新暦で祝うため、クリスマスは正月の後に来ることになる。もっとも、ソ連崩壊後は欧米の文化がより一般化し、新暦の12月25日にもクリスマスを祝うようになった。

 ここ数年、景気低迷などの影響で、クリスマスや新年の街を彩るツリーのイルミネーションも倹約モードだったが、今年はずいぶんと華やかだ。窓際を電飾で目いっぱい飾り立てる家も多い。

 ロシアのサンタクロースといえば、青い服を着たジェット・マロース(北風爺さん)。もともとは冬の精のような存在で、奇跡を起こす人なのだが、いつのまにかサンタクロースと同じようになった。

 ジェット・マロースは必ず、娘のスネグーロチカと一緒だ。かわいい娘さんを連れたサンタクロースは実にほほ笑ましい。

 クリスマスの商業化が進む中、友人のミハイルはジェット・マロースに扮(ふん)する副業で一儲(もう)けしている。ただ、相棒となるスネグーロチカを探すのは簡単ではない。今年、ミハイルは仕方なく、自分の6歳の娘をスネグーロチカにしてあちこちを回っている。

 商業化するクリスマスの一方で、伝統に従い、夜通し歩き続けて新年を迎える人々もいる。見ているこっちが気絶しそうになるが、池の氷に穴を開けて寒中水泳をする人々も多い。

 新暦のクリスマス、新年、そしてユリウス暦のクリスマス――。雪に覆われ、氷点下の中で迎えるロシアの年末年始は、華やかで楽しく、そして凛(りん)とした空気に包まれている。

(N)