フィリピンのカラオケ騒音地獄


地球だより

 カラオケは日本発祥だが、「カラオケ好き」ということならフィリピン人の方が勝っているかもしれない。

 日本でカラオケと言えばカラオケボックスが定番だが、これは近所への騒音問題もあるし、知らない人に歌声を聞かれるのが恥ずかしいという人も多いからだろう。

 しかしフィリピンではカラオケボックスは少数派。誕生日などの祝いがあると、家の庭、もしくは家の前の路上にテーブルとカラオケ機材を設置して、そこで歌うのが普通である。上手、下手に関係なく、フィリピン人は人前で歌うことに抵抗がない。まさに国民総エンターテイナーと言った感じだ。

 先日のクリスマスイブなど、まだ明るい時間から、近所の路上では最低でも5カ所くらいで同時にカラオケ大会が開催されており、ビルの11階にある記者の部屋まで、歌が鮮明に聞こえるほどのボリュームで歌いまくっている。

 彼らは障害物で互いの歌声はあまり気にならないようだが、高い所にある記者の部屋には、全ての騒音が直撃である。南国の家屋には気密性が求められないため、防音性が極めて低く窓を閉めても無駄な抵抗だ。

 私といえばこの騒音で夜中に4回ほど目が覚める始末。曲名は忘れたが古いアニメの主題歌を日本語で歌っているのが聞こえて、窓から声の主を確認しようとしたが、遠くてよく分からなかった。もしかしたら寝不足からくる幻聴だったのかもしれないが…。このカラオケ騒音地獄は大みそかにも繰り返される。(F)