違反もみ消し疑惑で炎上


地球だより

 ある女性モデルのフェイスブックが大きな反響を呼び、警察幹部を巻き込むスキャンダルに発展している。

 その投稿というのは、車の運転中に交通違反で捕まったが、警察幹部にもらった名刺を見せて違反をもみ消したという内容で、わざわざその名刺の写真まで掲載していた。これを見たインターネットユーザーから批判コメントが相次ぎ、いわゆる「炎上」状態に陥り、間もなく投稿は削除された。

 女性は男性誌などで活躍する、そこそこの有名人だったこともあり、ブログなどでこの話題は急速に拡散し、名刺の警察幹部の正体を探る人々も出てきた。名刺の裏には「私の秘書をよろしく頼む」という直筆のメッセージがあったことから、女性が警察幹部の愛人だとの臆測も流れ騒ぎは拡大。このところ相次ぐ警官不祥事の流れで、大手メディアも取り上げ始めた。

 その後、女性は謝罪し警察幹部と面識がないことを告白。騒ぎを知った警察幹部も彼女と会ったことはないと釈明し、愛人疑惑を否定。名誉毀損で訴える構えも見せている。警察幹部は名刺に階級の間違いがあり本物ではないと説明している。

 しかし実際のところ、警察幹部や政治家などからもらった名刺をチラつかせて「交通違反のお守り」にしている市民は珍しくない。知っての通り、袖の下を目的とした理不尽な取り締まりがあまりに多いため、市民のささやかな自衛策というわけだ。このようなコネを使ったもみ消しが横行しているのは誰でも知っていることだが、ネットという公の場で自慢するようなことではない。

(F)