うるう月


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 近く80歳を迎える母は今度の秋月(旧暦8月15日)も食事の準備を取り仕切った。嫁が3人もいるのに、名節(旧正月、秋月などの伝統的な祝日)の食事の準備はいつも母の役割だ。かなり前から「もう大変だから、次からはあなたたちがやりなさい」と言い続けているが、いざ名節になると「おまえたちが何をできるというの」と言って、一から十まで全部やってしまう。息子3人、嫁3人がすることといえば、母の監督の下でソンピョン(米粉の伝統餅)を作り、ジョン(チジミ)を焼くくらい。トランクッ(サトイモの汁物)を作り、三色ナムル(先祖を意味する根のナムル・トラジ=キキョウの根、父母を意味する茎のナムル・コサリ=ワラビ、子孫を意味する葉のナムル・シグムチ=ホウレンソウ)を和え、サンジョク(肉、ネギなどの串焼き)を焼くことなどは、母が直接行う。

 母の言いつけで、30年を超える父のお墓をなくすことにした。父は火葬する。「ちょうど、すぐに閏(うるう)月なので時期もいい」と、念を押すように付け加えた。お墓がある公園墓地が宅地開発事業地区に指定された後、2年くらい前から韓国土地住宅公社から「改葬しろ」という催促を受けてきた。あちこち掘り返されたお墓がずらりと並んでおり、開発に反対する横断幕が方々に貼られている。

 今年は陰暦9月が2回ある。陰暦9月の次に閏9月がある。1832年以後、182年ぶりの閏9月だという。陽暦では10月24日から11月21日までだ。閏月は陰暦で平年の12カ月に1カ月追加された月だ。普通の月と違って何の支障もなく不吉な事もない月だ。陰暦でひと月は29日と30日を交互に用い、1年12カ月は354日だ。陽暦の365日と11日の差がある。こんな不一致を正すために閏月を置く。

 閏月には死者の霊が活動しないと思われている。吉日を選んで行う引っ越しや家の修理、お墓の手入れと改葬も閏月にすると妨げるものがない。死に装束は必ず閏月に作った。人倫の大事である結婚も閏月に行うのがいいと言われるが、間違った俗説のために、いつからか閏月の結婚式を避けている。青春の男女が夫婦の契りを結んで、お互いへの信頼だけで堂々と第一歩を踏み出せばいいのだ。天の顔色までうかがうことはないはずだ。

(9月11日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。