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中小・零細企業の多い東京・大田区で長年…


 中小・零細企業の多い東京・大田区で長年、メッキ工場を経営していた男性(85)に話を聞くと、約50年前はメッキや鋳鍛造などの加工関連の組合に加入していたのは2000社以上もあった。それが現在は100社ほど。稼働しているのは30~40社ではないかという。

 メッキ加工は最もポピュラーな工業技術の一つで、多くの製品に利用され、その技術は日進月歩。そのため親会社からの注文に対応し切れず、大田区でも転・廃業の割合が大きい分野の一つとなっている。

 創業者の2代目、3代目が、どれだけ経営能力を高めることができるか。技術革新を軽んじてはいかんともし難い。逆に、技術に強いが営業力のない社長もダメ。零細企業の行く手は実に厳しい。そんな話を聞いた。

 だが、その一方で、わが国では今、ベンチャー企業の新設が少なくないのも事実。エレクトロニクス、産業ロボット、コンピューターソフト・システム、環境保全設備、新素材、バイオ、新エネルギーなど、既存の大企業が手を出しにくい分野の企業だ。

 これらは新しい技術分野に対応した新産業を担うベンチャーで、このような企業への期待は小さくない。政府は10年ほど前から、中小企業の人手不足、事業承継のほか、ベンチャー企業への支援もしている。

 2019年度予算案でも同様の手を打ったが、その効果は楽観できない。中小・ベンチャーの新たな状況を見据えた一貫した政策を求めたい。