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世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会…


 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が、韓国による日本産水産物の輸入禁止措置について日本勝訴の判断を下した。福島第1原発事故後、青森、岩手、福島、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の8県産の水産物輸入を規制していたことを不当とし是正を勧告したのだ。

 「まだ輸入規制をしていたの」と驚いた人もいただろう。しかし、東北地方産の農水産物の輸入を何らかの形で規制している国は、現在でも香港、米国、中国など27カ国もある。「風評」は世界共通らしい。

 東日本大震災の際に最も多くの義援金を寄せてくれた台湾も例外ではない。貿易問題に貿易以外のさまざまな政治的要素が絡んでくるという点でも。

 台湾のテレビ局「民視」の張茂森・東京支局長によると、台湾でも日本の農水産物の放射能検査をし、全く問題がないことが科学的に明らかになっており、蔡英文政権としては解除すべきと考えているらしい。しかし国民党がこれを「売台行為」と批判、政治問題化させているという。

 張支局長は、その背後には、台湾と日本の関係がさらに深まることを望まない中国があるとみている。台湾のメディアも「核食」という言葉で不安をあおっているという。

 一方、中国は自国の輸入制限を外交的に利用するため、解禁のタイミングを狙っているのではないかというのが張氏の分析だ。政治に翻弄(ほんろう)される東北の食。だからこそ国内でしっかりと支えていきたい。