日本列島の日本海側では5日から7日にかけて…


 日本列島の日本海側では5日から7日にかけて大雪が続いた。冬型の気圧配置で、動きの遅い低気圧と強い寒気のためだ。福井県では記録的な大雪が降り、福井市では37年ぶりに積雪130㌢を超えた。

 福井県と石川県を結ぶ国道8号では、約1500台の車が立ち往生し、自衛隊に災害派遣を要請した。並行して走る北陸自動車道が通行止めで、8号に大量の車が流入したのが原因とされる。

 天気図で等圧線を見ると、南北にまっすぐにではなく西側に膨らんでいて、里雪型と言われる形。日本海上空に寒気があり、ここで雪雲が発達し、山まで行かずに海岸沿いに大雪を降らせる。

 この里雪型と、山に多く雪を降らせる山雪型。これらの用語がいつ使われ始めたのか分からないが、気流子が40年ほど前に気象学を学んでいた時には、すでに現在と同じ解説がなされていた。

 『日本気象学会100年史』によると、気象学が急激に進歩し、気象学会も発展を遂げたのは昭和30年代だった。戦後の新秩序ができた時期だが、相次いで大災害がわが国を襲ったからであった。

 その中には伊勢湾台風(34年)やチリ地震津波(35年)があり、38年1月には豪雪が襲った。福井気象台では1月31日、積雪213㌢で観測史上最高を記録。死者は全国で228人に及んだ。これらが国民の強い関心を喚起し、気象学研究を刺激した。予報技術は進歩したが災害は起きる。対応する人の心構えが大事だ。