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米大統領、対中関税の第4弾を来月1日発動


輸入品ほぼ全てに拡大

 トランプ米大統領は1日、米中貿易交渉をめぐり、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する「第4弾」を発動する考えを明らかにした。トランプ氏はツイッターで、不調に終わった米中閣僚級協議を受け、「9月1日から残りの3000億㌦(約32兆円)相当の輸入品に10%の追加関税を課す」と表明した。

 米中両国は6月末の首脳会談で貿易交渉を再開し、追加関税を控えることに合意。それから約1カ月で、トランプ氏は貿易戦争の「一時休戦」合意を破棄する形となった。

 今週、中国・上海で3カ月ぶりに再開された米中の閣僚級協議では、大きな進展が見られなかった。これについてトランプ氏は、ツイッターに「建設的な協議だった」としつつも、「3カ月前にわれわれは新たな貿易協定で合意できたと思ったが、残念ながら中国は調印を前に内容を再交渉することを決めた」とも述べ、今回の交渉も不調に終わったことを示唆した。

 トランプ氏はまた、「中国はわれわれから農産物を大量に購入することに最近同意したが、そうはしなかった」と、習氏が約束を果たしていないと不満を表明。米国で乱用が社会問題となっている医療用麻薬の一種「フェンタニル」についても、中国から米国への販売を停止する首脳合意が「全く実現しておらず、多くの米国人が亡くなっている」と批判した。

 トランプ政権は、昨年3回に分けてすでに2500億㌦相当の中国からの輸入品に関税をかけている。今回の3000億㌦には、スマートフォンやノートパソコン、衣類など生活に身近な商品も多く含まれ、米国の消費者にも大きな影響を及ぼすことが予想される。全米小売業協会は声明で、「過去1年で課した関税は機能していない。より良い貿易関係を実現させるため、関税以外の手段を見つけることを強く求める」と訴えた。

 一方、トランプ氏はこの日、ホワイトハウスで記者団に、「関税を段階的に25%以上に引き上げることもあり得る。取引が成立するまで関税をかけ続ける」と述べ、中国から譲歩を引き出すために圧力を強める構えを見せた。

(ワシントン 山崎洋介)