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米非常事態の「無効」決議、上院でも可決へ


共和から4人が造反の意向

 メキシコとの壁建設をめぐりトランプ米大統領が宣言した非常事態を無効にする決議案が、下院に続き、上院で可決する見通しとなった。上院では、共和党が多数派を握っているが、可決に必要な4人の共和党議員が賛成に回る考えを示した。

マコネル上院院内総務

マコネル上院院内総務(UPI)

 上院は定数100のうち、共和党が53議席、民主党系が47議席で、共和党から4人造反すれば可決される計算となる。これまですでに3人の共和党議員が賛成を表明していたが、ランド・ポール上院議員は4日、FOXニュースのウェブサイトで、「国境の壁建設のために資金を調達する努力は支持するが、そのために非常事態宣言を用いることは支持できない」として、決議案に賛成する考えを表明した。

 共和党上院トップのマコネル院内総務は4日、「決議案が上院を通過するのに十分な票がある」と認めた。ポール議員は記者団に、「少なくとも10人の共和党議員が賛成する意向」だと語っており、さらなる造反も予想される。国境の壁建設費を捻出する目的での非常事態宣言を認めれば、将来、民主党の大統領が気候変動問題や銃規制などで宣言を利用するとの懸念が共和党議員の間で根強い。

 米メディアによると、決議案は来週中に採決される見通しだが、決議案が可決されてもトランプ氏は、拒否権を「100%行使する」と述べている。拒否権を覆すには、上下院それぞれ3分の2の票が必要で、その可能性は低いとみられる。

 ただ、共和党から多くの議員が造反して決議案が可決されれば、州政府などから提起されたトランプ氏の非常事態宣言に対する違憲訴訟にも影響するとみられ、動向が注目される。

(ワシントン山崎洋介)