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北船舶取り締まり、米「有志連合」検討


 米政府は、制裁に違反し北朝鮮へ物資を供給する船舶を取り締まるため各国海軍から成る「有志連合」設置案を検討している。大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)の枠組みを拡大し、中国を参加させることが柱だ。米政府に近い筋が明らかにした。

中国のPSI参加も

 情報筋がワシントン・タイムズ紙に明らかにしたところによると、米政府はPSIの枠組みをもとに北への制裁実行に中国を参画させたい意向。PSIはもともと、核拡散を阻止するための同盟国間の情報共有の強化を目指し設けられたもの。

 国防総省顧問で、トランプ政権移行チームにも参画したマイケル・フィルズベリー氏によると、2003年のブッシュ(子)米大統領(当時)がPSIを創設した当時、中国は「興味を示したが、参加には至らなかった」という。

 トランプ米政権が沿岸警備隊を西太平洋に派遣し、アジアの同盟国と共に北朝鮮による密輸監視を強化することを検討していると報じられたばかり。

 同氏は「国連憲章の概念に従えば、海上での密輸阻止を実行することは可能」とした上で、ロシアなど常任理事国がPSIに基づく密輸阻止を妨害しようとすれば、「有志連合」を呼び掛けることになると指摘した。

 米政府は、石油などの密輸阻止へ、北朝鮮に対する新たな制裁を発表したばかり。ロシアの支援を受ける船舶が制裁に違反していることに、米国は失望を表明しているが、この提案に対してロシアは公式な態度を示していない。

 また、北朝鮮の主要貿易相手国であり、同盟国である中国が、米国主導の密輸取り締まりを支持するかどうかという懸念もある。

 計画は、北朝鮮の強い反発を招き、国際社会を分断するリスクもはらんでいる。ロイター通信によると、中露はこれまでにも、北朝鮮の密輸阻止で米国が武力を行使する計画を阻止したことがあり、新たな提案を国連で反対する可能性もあるという。

 中国当局者はロイター通信に対して、このような措置は、国連の枠組みの中で行われるべきものだと指摘、中国外務省は声明で、計画については何も知らされていないとした上で、北朝鮮をめぐる国連決議は完全に実行されるべきだと考えていると訴えた。

(ワシントン・タイムズ特約)