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米、北に「過去最大」の制裁


船舶、海運会社56団体対象

 米政府は23日、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮による国連安保理決議の制裁逃れの密輸に関わった56の船舶や海運会社などに対する新たな制裁措置を発表した。トランプ大統領は、ワシントン郊外で開かれた「保守政治行動会議(CPAC)」の年次総会で演説し、「過去最大の制裁を科した。前向きな効果が出ることを望む」と述べた。

トランプ大統領「機能しなければ第2段階」

 新たに制裁対象となったのは、1個人・27団体・28船舶で、今後、米国人の取引が禁止され、米国内の資産も凍結される。対象には、中国やシンガポールなどを拠点にする海運会社も含まれている。

トランプ氏(右)とターンブル氏

23日、ホワイトハウスで共同記者会見に臨むトランプ米大統領(右)とオーストラリアのターンブル首相(EPA=時事)

 これらの団体などは、国連安保理決議に違反し、海上で石炭や石油精製品を積み替える「瀬取り」などの制裁逃れに関与したとされる。今回の制裁は、こうした制裁の抜け道をふさぎ、北朝鮮による核・ミサイル開発への資金供給を遮断することが狙い。平昌冬季五輪で「ほほ笑み外交」を展開し融和ムードをつくり出そうとする北朝鮮に対し、「最大限の圧力」をかける取り組みを継続する米政権の姿勢を改めて明確にした。

 一方、トランプ氏は23日、オーストラリアのターンブル首相との共同会見で、「もし制裁が機能しなければ、第2段階に移ることになる。世界にとって非常に不幸なことだが、それは手荒いものになるかもしれない」と述べ、場合によっては軍事選択肢もあり得るとの姿勢を示した。

 ムニューシン財務長官は23日、ホワイトハウスで記者会見し、今回の制裁を通して「世界中の企業や国に対して、米国や国連による制裁がわが国の安全保障にとって必須のものであることを知らしめる」と強調。これに反して北朝鮮と取引を行った場合、「その責任を負うことになる」と警告した。

 ムニューシン氏は、これまで実施されてきた北朝鮮に対する一連の経済制裁が同国の核・ミサイル開発に「重大な影響を与え始めている」と指摘。今後も必要に応じて追加の制裁措置を実施する考えを示した。

(ワシントン山崎洋介)