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米、新型核開発を推進


「核態勢」強化へ大転換

 トランプ米政権は2日、今後5~10年間の米国の核戦略「核態勢の見直し」(NPR)を公表した。爆発力の小さい低出力核弾頭(小型核)や核巡航ミサイルなど新型兵器の開発を進め、「核のない世界を目指す」として核の役割を減らそうとしたオバマ前政権の方針から大きく転換。米国や同盟国のインフラなどに対する非核攻撃に対しても、核で報復する可能性を示した。

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 NPRの策定は、前政権下の2010年以来。この中で、「米国は核兵器の数を削減し続けてきたが、ロシアと中国を含む他国は反対の方向に進んできた」と指摘。北朝鮮による核開発も強行される中、これらに対抗するため、「核オプションの柔軟性と多様性を強化する」とした。

 具体的には、短期的には潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の弾頭の一部を小型核に改良。長期的には、核弾頭を搭載した海上発射巡航ミサイル(SLCM)を開発する方針を示した。

 また、核抑止力の信頼確保のための3本柱として、SLBMを装備した弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、無誘導爆弾や核搭載空中発射巡航ミサイル(ALCM)を搭載する戦略爆撃機を挙げ、近代化を進めると表明した。

 核兵器の使用条件については、「米国と同盟国の死活的国益を守る極限状況でのみ検討する」とした前政権の方針を継続。一方で、「極限状況」の解釈を大幅に拡大し、「米国や同盟国の民間人やインフラ、核施設、指揮管制システムなどに対する重大な戦略的非核攻撃も含む」とした。

 今回のNPRは、英語版のほか、日本語、韓国語、フランス語、ロシア語、中国語の要約版も公表。同盟国や核兵器の増強を進める国などに対してメッセージを発する意図もうかがわせた。

(ワシントン山崎洋介)