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台湾めぐり米中外交戦の場に あすホンジュラス大統領選


1月13日、台北の総統府で会談した蔡英文総統(右)と、ホンジュラスのエルナンデス大統領(台湾総統府提供・時事)

 中米ホンジュラスで28日、エルナンデス大統領の任期満了に伴う大統領選挙が実施される。与野党含めて15人が立候補しているが、実質的には与党・国民党で首都テグシガルパ市長の保守派ナスリ・アスフラ氏(63)と、野党連合の左派シオマラ・カストロ氏(62)による一騎打ちだ。

 今回の選挙は、米国と中国を巻き込んだ代理外交戦の様相も呈している。発端は、親中派として知られるカストロ氏が9月、「当選後は直ちに中国と国交を結ぶ」と発言し、台湾との外交断絶を表明したことだ。ホンジュラスは、台湾が外交関係を結んでいる15カ国の一つ。

 その後、カストロ氏は米国からの強い反発や野党連合との兼ね合いなどから、中国との国交樹立に関する発言を控えている。同氏の側近は23日、「中国の国交樹立は決定事項ではない」と述べ、ホンジュラスに政府高官を送り込んで外交攻勢をかけている米政府に配慮した。

 中国は、2016年に台湾で独立志向が強いとされる蔡英文政権が誕生した後、パナマ、エルサルバドル、ドミニカ共和国に巨大支援を約束し、次々に台湾との外交断絶に持ち込んだ。現在も「ワクチン外交」などを通じて、パラグアイなど台湾と外交関係を保っている中南米・カリブ海諸国の切り崩しを図っている。

 ホンジュラスの独立系民間団体「CESPAD」が10月に行った世論調査では、カストロ氏が支持率38%で他候補を引き離しており、アスフラ氏が21%で追う展開だ。カストロ氏は、左派政党リブレ党首、ヤラセ元大統領の夫人。

 決選投票のシステムはなく、28日の選挙で最高得票者の勝利が確定する。任期は4年。

(サンパウロ 綾村悟)