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米大統領 「外交ボイコット」検討


北京五輪で 人権侵害に抗議

バイデン大統領(EPA時事)

 バイデン米大統領は18日、ホワイトハウスで来年2月の北京五輪について、政府関係者を派遣しない外交ボイコットを「検討している」と述べた。新疆ウイグル自治区などにおける中国政府による人権侵害に抗議する狙いがある。カナダのトルドー首相との会談冒頭で、記者からの質問に答えた。

 ワシントン・ポスト紙は今週、バイデン政権が近く北京五輪の外交ボイコットを発表する予定だと報じた。すでにバイデン氏へ正式に勧告されており、月内にも承認される予定だという。

 日本を含めた米国の同盟・友好国の対応も今後、問われることになりそうだ。

 サキ報道官は18日、「新疆における中国の人権侵害について深刻な懸念がある」と指摘。外交ボイコットについては「さまざまな要因を考慮する必要がある」とし、「大統領の判断に委ねたい」と述べるにとどめた。

 一方、中国外務省の趙立堅副報道局長は19日の記者会見で、「米国は新疆でジェノサイド(集団虐殺)や強制労働があると顔に泥を塗ろうとしているが、中国人民からすれば笑い話だ」と反発。その上で「スポーツの政治化は五輪精神に反し、各国選手の利益を損ねる」と牽制(けんせい)した。

 議会では民主党のペロシ下院議長が5月、中国の人権侵害に抗議するため外交ボイコットを各国首脳に呼び掛けるなど、超党派でボイコットを求める声が高まっていた。

 一部の共和党議員は選手やスポンサーを含めた完全なボイコットを要求しており、トム・コットン上院議員は18日、選手の安全確保への懸念や中国によるウイグル人弾圧などを挙げ、「米国と文明世界、自国民に対する中国の犯罪のために、これらの試合をボイコットすべきだ」と訴えた。

(ワシントン山崎洋介)