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米上院外交委 戦略的競争法案を可決


超党派で中国に対抗、台湾重視

 米上院外交委員会は21日、覇権主義的傾向を強める中国への包括的な対抗策を定めた「戦略的競争法案」を賛成21、反対1で可決した。対中強硬方針への支持が超党派で広がっていることを改めて示した形で、法案は本会議での可決が見込まれている。

 法案は、「中国の目的は、まずインド太平洋地域における地域覇権を確立し、次にその支配的な立場を利用して、中国が『世界をリードする大国』になることだ」と危機感を表明。同地域において米国や同盟国が自由なアクセスを維持し、中国による支配や近隣諸国への脅迫を許さないことを目標に掲げている。

 中国が軍事的圧力を強めている台湾については「米国のインド太平洋戦略における不可欠の要素」だと指摘。国務省など米政府機関の職員は「他の外国政府と同じ基準で、台湾政府に関与すべき」としたほか、防衛物資の定期的な移転を実施するよう米政府に求めている。

 また、新疆自治区における「強制労働に関連した深刻な人権侵害」や「体系的なレイプ、強制流産、強制不妊手術」に対して制裁を科すことを要求。日米豪印の協力枠組み「クアッド」については、「米国はより定期的な共同演習やサイバースペースの保護や海上安全保障の推進などで協力の道を拡大するよう努めるべきだ」と関係強化を図るとしている。

 メネンデス上院外交委員長(民主党)は「この圧倒的な超党派の投票は、政治、外交、経済、イノベーション、軍事、文化などあらゆる分野で中国の課題に対応するための最初の一歩になる」とその意義を強調。一方、ロムニー上院議員(共和党)は「この法案が中国による独裁政治と抑圧と世界的覇権に向けた動きを変えるとは誰も思わない。もっとやるべきことが多くある」と述べ、さらなる取り組みが必要だと訴えた。

(ワシントン 山崎洋介)