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あすペルー大統領選 主要5候補による大混戦


決選投票入りの公算

 南米ペルーで11日、サガスティ大統領の任期満了に伴う大統領選挙が実施される。18人が立候補しているが、抜きんでた支持を得ている候補がおらず、上位2人による決選投票入りの公算が大きくなっている。有効得票の過半数を超える候補がいない場合、憲法規定により決選投票が行われる。

ペルーのフジモリ元大統領の長女ケイコ氏=3月29日、リマ(AFP時事)

ペルーのフジモリ元大統領の長女ケイコ氏=3月29日、リマ(AFP時事)

 最新世論調査では、フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏(45)や、富の再分配を訴えるポピュリストで中道左派のジョニー・レスカノ元国会議員(62)、実業家でキリスト教保守派「オプス・デイ」のメンバーでもあるラファエル・ロペスアリアガ氏(60)、サッカー元代表GKで中道のジョージ・フォルサイト氏(38)、経済学者で右派のエルナンド・デ・ソト氏(79)ら5人が主要候補として扱われている。

 ペルー政界は政治腐敗で大きく揺れており、2018年以降、汚職疑惑で2人の大統領が辞職する事態になっている。国民の政治不信は深く、世論調査では多くの大統領候補が10%前後の支持率に留(とど)まりながら団子状態となっている。決選投票には誰が出て来てもおかしくない。

 ケイコ氏は、直近の2度の大統領選挙で決選投票に進出したが僅差で敗れた。今回は自身がマネーロンダリング(資金洗浄)などの汚職疑惑に直面しており、決選投票に進んだとしても厳しい戦いが待ち受ける。昨年の国会議員選挙でフジモリ派が大敗し、最大野党としてペルー政界に影響を与えてきた勢いも失っている。

 一方、次期大統領が対処すべき課題は多い。ペルーは、新型コロナウイルスの感染拡大「第3波」に襲われており、連日のように8000人近くの新規感染者を出している。人口3251万人のペルーでの累計死者は5万3000人を超え、人口比では深刻なパンデミックに襲われているブラジルを上回る。医療機関の多くが限界に直面する中、選管は投票場所を増やすことなどで感染拡大を防ぐとしているが、選挙延期を求める国民は少なくない。

 また、国家規模のロックダウンを導入してきたこともあり、経済低迷にも苦しむ。昨年の国内総生産(GDP)は前年比で11%も減少、南米最大規模のマイナス成長だった。

 経済低迷に伴う貧困の拡大や高い失業率、格差問題は多くの国民の不満となっており、ポピュリストのレスカノ氏に一定の支持が集まる要因にもなっている。

 ペルーでは、18歳以上の有権者に投票が義務付けられており、違反した場合は罰金などが科されることがある。

(サンパウロ・綾村悟)