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ブラジル最高裁 ルラ氏の有罪判決、無効に


大統領選出馬の道開く

 ブラジル連邦最高裁は8日、左派のルラ元大統領(75)に対してこれまでに出された収賄罪などの有罪判決を全て無効とする判決を下した。現地メディアは、今回の判決により、ブラジル左派の代表的政治家として知られるルラ氏が、2022年の大統領選挙に出馬する道が開けたと報じている。

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ルラ氏(AFP時事)

 ルラ氏は、大統領在職時に、国営石油公社ペトロブラスに関する大規模な政界汚職事件に関わったとの嫌疑が掛けられていた。その一つが、大手建設会社に対して便宜を図る見返りとしてマンションなどの賄賂を受け取ったとされるもの。同案件では、南部クリチバの連邦裁(第二審)が、18年1月に禁錮12年余の有罪判決を下し、一時収監されていた。

 ファキン最高裁判事は、「ルラ大統領の事件を審理したクリチバの裁判所には管轄権がなかった」との判断を下しており、首都ブラジリアでの裁判のやり直しを命じている。検察当局は、最高裁に異議を申し立てる見通し。

 ルラ氏は、2003年から11年までの2期8年をブラジル大統領として務めた。当時の資源ブームを背景にブラジルをBRICS(新興5カ国)の一角として成長させ、南米初の夏季五輪を招致するなどカリスマ的な人気を誇った。

 特に、低所得層を対象とした再分配政策「ボルサ・ファミリア」は、ばらまきと批判されながらも多くの熱狂的な支持者を生み出した。現在も政治家としての人気は非常に高く、大統領選挙に出馬すれば、現職ボルソナロ大統領に対する有力な対抗馬となる可能性がある。