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中露に日韓豪欧連携し対抗、バイデン氏が安保暫定指針


 バイデン米政権は3日、包括的な国家戦略「国家安全保障戦略」策定に向けた暫定指針を発表し、中国について、「経済、外交、軍事、先端技術の力を結集し、安定的で開かれた国際システムに対抗する能力がある唯一の競争相手」と位置付けた。中国などの脅威に対抗するため、民主主義国家が連携する必要性を強調した。

 指針では、「中国は急速に高圧的な態度を強めている」と指摘。一方、ロシアについては、「世界的な影響力を強化し、世界の舞台で破壊的な役割を果たすことを決意し続けている」と警戒感を示した。

 世界各地の米軍配備については、中露の脅威に対抗するため、「インド太平洋と欧州におけるプレゼンスを最も強固にする」と強調。中東での展開はテロやイランの脅威を抑止できる規模に「適正化する」としたほか、アフガニスタンでの戦争を終結させる方針も示した。

 中国などの脅威に対抗するため、民主主義国家が連携して国際ルールづくりをする重要性を強調。北大西洋条約機構(NATO)のほか、日本、韓国、オーストラリアを挙げ、「最大の戦略的資産」とした。

 一方、米国の国益にかなう場合は、中国と協力することも排除しないとし、「気候変動、世界の保健医療、核不拡散などの分野における中国政府の協力を歓迎する」とも表明した。

 サキ大統領報道官によると、より具体的な「国家安保戦略」が年内にも発表される見込み。

 指針の発表に先立ち、ブリンケン国務長官は国務省で、就任後初となる外交方針演説を行い、中国について「21世紀で最大の地政学的試練」と指摘。「新疆ウイグル自治区で人権が乱用され、香港で民主主義が踏みにじられているとき、立ち上がる必要がある」とし、人権問題に取り組む考えを示した。

 また人工知能や量子コンピューターなど先端技術分野のルールづくりを主導するとしたほか、気候変動問題では再生エネルギーの世界市場で米国を主導的立場に置くと強調した。

(ワシントン 山崎洋介)