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民主党大会 副大統領候補にハリス氏


黒人女性で初の指名

 米民主党大会は3日目の19日、カマラ・ハリス上院議員(55)を副大統領候補に正式に指名した。ハリス氏は父親がジャマイカ出身、母親はインド出身で、二大政党で黒人女性が副大統領候補に指名されたのは初めて。大統領候補に指名されたジョー・バイデン前副大統領(77)と共に11月の大統領選に臨む。

19日、米デラウェア州ウィルミントンからオンライン開催の民主党全国大会に参加したバイデン前副大統領(右)とカマラ・ハリス上院議員(AFP時事)

19日、米デラウェア州ウィルミントンからオンライン開催の民主党全国大会に参加したバイデン前副大統領(右)とカマラ・ハリス上院議員(AFP時事)

 ハリス氏は指名受諾演説で、共和党のトランプ大統領(74)の指導力について厳しく批判した上で、人種差別問題などに取り組む姿勢を示し、黒人やヒスパニックなどマイノリティーからの支持拡大を図った。

 ハリス氏は、トランプ大統領の新型コロナウイルス対応を念頭に「トランプ氏のリーダーシップの欠如が命と生活を犠牲にした」と非難。また、黒人やヒスパニック、先住民に新型コロナウイルスによる感染死が広がっているとし、「これは偶然ではない。構造的人種差別の結果だ」と主張し、法の下の平等の実現を訴えた。

 その上で「黒人、白人、ヒスパニック、アジア系、先住民族などが一丸となってわれわれが望む未来を実現する大統領を選ぶ必要がある。バイデン氏を当選させなければならない」と述べ、支持を呼び掛けた。

 一方、トランプ氏は、無党派の議会監視サイト「ガブトラック」が2019年、ハリス氏を「全上院議員と比較して最もリベラル」だったとしたことを念頭に、「(民主社会主義者の)バーニー・サンダース(上院議員)よりもリベラルだ」などと主張している。

 実際、ハリス氏は過去にサンダース氏の提唱した公的医療保険制度を全国民に拡大する法案「メディケア・フォー・オール」や、急進的な温暖化対策の決議案「グリーン・ニューディール」の共同提案者となったことがあり、銃規制の強化にも積極的だ。こうした立場は、今回の選挙を「左派との戦い」と位置付けるトランプ氏や共和党からの攻撃材料となり得る。

 ハリス氏は昨年の民主党指名候補争いの中で、民間保険の廃止を主張した後、批判を受けて撤回するなど、政策面でのブレも目立ち「政治的日和見主義者」との指摘も付きまとう。今後、一貫した姿勢を示していけるかも課題となる。

(ワシントン 山崎洋介)