世界日報 Web版

中国 スパイ事件半数関与


FBI長官 コロナ研究も標的

 米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は7日、中国の対米工作について米シンクタンク、ハドソン研究所で演説を行い、FBIで現在実施されている約5千件の防諜(ぼうちょう)捜査のうち「半分近くが中国に関連している」と明らかにした。また、新型コロナウイルスに関する研究も中国によるスパイ行為の標的となっていると強調した。(ワシントン・山崎洋介)

レイ米連邦捜査局(FBI)長官=2019年11月、ワシントン(AFP時事)

レイ米連邦捜査局(FBI)長官=2019年11月、ワシントン(AFP時事)

 レイ長官は「わが国の情報と知的財産、経済力に対する最大の長期的脅威は、中国による諜報活動と経済スパイ活動だ」と警告。中国に関する事案は近年増加しており、FBIは「約10時間ごとに新たな中国に関する防諜捜査を開始している」と述べた。

 また、「中国は世界で唯一の超大国になるための国を挙げた取り組みをしている」と指摘。新型コロナの感染拡大以降も工作活動を継続しているとし、「今この瞬間、中国は米国の医療機関、製薬会社、さらには重要な新型コロナ研究を行っている学術機関を損なおうとしている」と批判した。

 さらに、中国の習近平国家主席が2014年以降、「キツネ狩り」と称して海外に住む反体制派を強制的に帰国させていると非難。米国では数百人がこれまで標的となってきたとし、脅迫の具体例として、米国に住む反体制派に対し「直ちに帰国するか、自殺するかだ」とのメッセージを家族を通して伝えてきたという。

 中国の影響工作については、「贈収賄、脅迫および秘密取引を含む非常に洗練された悪意ある活動」を通じて米国の政策に影響を与えようとしていると指摘。例えば、米国の州知事や地方議員が台湾への渡航を計画した場合、中国はその選挙区の企業などに圧力をかけることで、計画を断念させようとすると述べた。