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米は中国の北極圏進出を警戒


米軍 新たに砕氷船を建造へ

 中国が北極海進出へ意欲を示していることに米当局者らは、米国の安全保障にとって大きな脅威だと警戒感をあらわにしている。議会と国防総省も北極戦略の見直しと、海域で航行可能な新型艦の建造を急いでおり、北極海が米中の新たな火種となっている。

 20日に成立した総額7380億㌦(約80兆8000億円)の国防権限法は、すべての「北極海での中国軍の活動と北極海への中国の直接投資」に対する包括的な調査を開始するよう連邦政府に求めた。

 トランプ政権は、北極圏国家ではない中国が、戦略的に重要なこの地域に興味を示していることに懸念を示している。沿岸警備隊のシュルツ長官は今月に入ってツイッターへの投稿で、「極地はもう、これからの地域ではない。すでに現代の国家安全保障問題の一部だ」と危機感を表明した。

 中国に対抗するために国防権限法にはさらに、北極地域の「戦略的港」の確認作業を続けるよう国防総省に求める条項が盛り込まれている。港が整備されれば、沿岸警備隊と海軍の装備、船舶を受け入れることが可能になる。

 米政府高官らは北極地域での中国のプレゼンス拒否の姿勢を明確にしており、ポンペオ国務長官は今年に入って、「北極圏国家か非北極圏国家しかない。第3のカテゴリーはない。中国には何の権限もない」と北極海での活動を活発化させる中国を牽制(けんせい)した。

 中国は今年、北極海を航行可能な原子力砕氷船の建造計画を発表した。完成すれば、中国の砕氷船は3隻となり、海域の形勢を一変させる可能性がある。

 米国が保有する砕氷船は現在2隻。海軍は、今後5年以内に新たな砕氷船を配備する計画を立てている。シュルツ氏は10月に行った演説で「油断すれば、2025年までに砕氷可能な船舶で中国が米国を追い越す可能性がある」と警告した。

(ワシントン・タイムズ特約)