世界日報 Web版

「中国国民は一党支配望まず」 米国務長官にWT紙単独インタビュー


 ポンペオ米国務長官は18日に行ったワシントン・タイムズ紙との単独インタビューで、中国国民は自由な社会を望み、中国共産党の支配を支持していないと一党独裁体制を非難した。ロシアとの軍備管理交渉については、核ミサイル以外の兵器も対象にするとともに、中国を取り込む必要があると訴えた。

共産党の脅威、世界に周知

 ポンペオ氏はこの一年を振り返り、イスラエルへの支持を強化し、核とテロの拡散を抑制するためにイランに圧力を掛けてきたと、中東政策で一定の成果を挙げたことを強調した。その上で、「世界に中国共産党の脅威を知らせるという点で、大きな進展があった。脅威が拡大する中で米国は20年間、注意を怠ってきた」と、トランプ政権下での対中政策の転換をアピールした。

ポンペオ米国務長官

ポンペオ米国務長官(AFP時事)

 ポンペオ氏は10月に行った演説で、中国国民と中国共産党とを明確に区別し、党と国民の間にくさびを打ち込む意向を明確にしていた。「中国共産党の支配は全体主義体制であり、マルクス・レーニン思想と漢民族ナショナリズムの組み合わせだ」と主張。ウイグル族への弾圧や香港への対応で「国民の基本的自由を否定」していると非難していた。

 ポンペオ氏はインタビューで、「中国国民は自由を希求し、自らの手で生きることを求めているが、中国共産党は全く違ったものを目指している。米国はそのことをはっきりと認識すべきだ」と主張。情報、軍事力をコントロールし、国民を監視するための「社会信用システム」を取り入れている中国共産党と国民とを混同してはいけないと訴えた。

 経済、軍事などで世界的な覇権の拡大に取り組んでいる中国との経済的「デカップリング(切り離し)」を求める声が上がっていることについては、デカップリングは望んでいないと主張。「望んでいるのはただ、公正で、互恵的で透明性のある貿易だ。そうならない場合はデカップリングが起きるが、それを決めるのは中国だ」と強調した。

 また、これまで米政府は中国問題に適切に対処せず、メディアも国際テロの問題にばかり集中してきたと述べた上で、トランプ政権下の新政策で、中国に関する政策、メディアの報道に変化が表れ始めていることを明らかにした。新疆ウイグル自治区でウイグル族を弾圧、教育と称して100万人以上を収容所に拘束していたことが報じられたのはその一例だ。

 ロシアとの軍備管理交渉については、「戦略的な安定について話し合うには、米露だけでは不十分だ。中国も含める必要がある」と、中国を含めた上で、核ミサイルなどの戦略兵器だけでなく、サイバー兵器、宇宙兵器、極超音速兵器の新たな兵器も交渉に含める必要性を強調した。

 トランプ政権は、兵器削減交渉に中国も取り込もうとしているが、中国はこれまで拒否している。

 米当局者は、米国が「ロシアカード」を切って中国に対抗すれば、引き入れられるのではないかと指摘。例えば、中距離ミサイルの交渉を通じて、米露が中国付近にミサイルを配備する可能性が出てくれば、中国は座視できないはずとの見方を明らかにした。

 2021年2月に失効するロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)延長問題について、ポンペオ氏は「米国は延長が米国にとって意味のあるものかどうかを見極める。まだ決めていない。しかし、現行の新STARTでは古すぎる。現在の世界の情勢を見る限り、米露だけではカバーする範囲が狭すぎる」と中国を含めた兵器削減交渉の必要性を訴えた。

(ワシントン・タイムズ特約)