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トランプ大統領 史上3人目の弾劾訴追


米下院 ウクライナ疑惑で「職権乱用」
上院では「無罪」見通し

 トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐり下院本会議は18日、トランプ氏を「権力乱用」と「議会妨害」で弾劾訴追した。弾劾訴追された大統領は米史上3人目。来年1月から上院で弾劾裁判が行われる見通しだが、「無罪」となるのは確実とみられる。トランプ氏が再選を目指す次期大統領選にどう影響するかも注目される。

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 大統領の弾劾訴追はクリントン氏以来21年ぶり。権力乱用については、賛成230、反対197、議会妨害は賛成229、反対198で可決された。与党共和党から賛成に回った議員はいなかった一方、民主党議員のうち2人が「権力乱用」、3人が「議会妨害」に反対した。

 トランプ氏は18日夜、ミシガン州の選挙集会で、弾劾訴追について「クレイジーなペロシ(下院議長)の民主党は、永遠の恥を自らに刻んだ」と非難。「弾劾されている気がしない。米国はかつてないほど繁栄していて、われわれは何も悪いことはしていない」と反発した。

 下院での8時間に及ぶ審議の中で、ペロシ氏は「大統領の無謀な行為で弾劾せざるを得なくなったことは悲しむべきことだが、それ以外に選択の余地はなかった」と表明。「トランプ氏は憲法に違反した。米国の安全保障にとって脅威であることは紛れもない事実だ」として、弾劾に値すると主張した。

トランプ大統領の弾劾訴追

18日、米下院で行われたトランプ大統領の弾劾訴追状案の採決(AFP時事)

 一方、共和党議員は、弾劾訴追がトランプ氏に向けられた民主党の敵意による党派的な動機に基づくものだと指摘。スカリス議員は「弾劾はトランプ氏が大統領に当選したことに対する復讐(ふくしゅう)からくるものであってはならない」と訴えた。

 米国の過去に弾劾訴追された大統領は、1868年のジョンソン大統領と、1998年のクリントン大統領の2人。ニクソン大統領は1974年、下院本会議での弾劾訴追状案採決前に辞任した。

 年明けの弾劾裁判で、トランプ氏を有罪として罷免するには、上院議員の3分の2以上の賛成が必要となる。共和党が多数派を占める中、有罪には共和党議員20人以上の造反が必要で、罷免の可能性はほとんどない。

(ワシントン 山崎洋介)