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習体制へ対決姿勢強化か 対中国で米政権


習体制へ対決姿勢強化か

 対中国で米政権米政権の中国への対応に微妙な変化が起きている。中国の習近平国家主席の肩書を「国家主席」から中国共産党中央委員会「総書記」と改める動きが出ており、政権内で中国政府への対決姿勢が強まっていることの表れではないかと指摘されている。


ポンペオ国務長官「国家主席」と呼ばず

 ポンペオ国務長官は10月30日の保守系シンクタンク、ハドソン研究所での演説で、習近平氏を「国家主席」と呼ばず「総書記」と呼んだ。米政府高官が習氏を「国家主席」の呼称で呼ばなかったのはこれが初めて。小さな動きだが、安全保障当局者・アナリストらの間では、重大な意味があると捉えられており、政権内の反中派が、かつてないほど露骨な反中姿勢を取り始めている表れではないかとみられている。

 しかし、政権内が一致しているわけではない。トランプ大統領は11月26日、ホワイトハウス執務室で記者団に中国との貿易交渉について聞かれた際、「習国家主席」と呼んだ。ところが、情報筋は、政権内で、国民の意思を無視し、民主的な手続きを経ていない指導者として習氏を描く動きが強まっていると指摘する。

 国家主席の任期は2期までとされていたが、2018年にこの規定を破棄し、12年に就任した習氏の国家主席としての任期は無制限となっている。

 政権高官らが、ポンペオ氏が総書記と呼ぶことを事前に了承していたことは明らかだ。

 レーガン米元大統領は、冷戦による東西対立が強まっていた1987年に、ドイツの「ベルリンの壁」で行った演説で、「ゴルバチョフ(共産党中央委員会)書記長」または「ゴルバチョフ氏」と呼んだ話はよく知られている。ソ連の代表は、ソ連政府ではなく、支配政党である共産党のトップだけだとの見方を強調するためだった。

 総書記に呼称を変えたのは、米政府が中国国民を敵視していないというメッセージを送ることで、政府と国民の間にくさびを打つことを狙ったものとみられている。

 中国は、米政権の動きに敏感に反応しており、崔天凱・駐米中国大使は、「党と国民を分断することは、中国国民全体に対する挑発だ」と強く反発している。

(ワシントン・タイムズ特約)