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宋がたどった滅びの道を警戒せよ


韓国紙セゲイルボ

韓国は北へ年貢を納めるのか

 南北経済協力の動きが速い。平壌共同宣言で推進することにした南北鉄道連結と北朝鮮鉄道の現代化を年内着工するという。言うは易いが、国連制裁対象ではないのか、資金はどうするのか…と、問題は乱麻のように絡まる。

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15日、板門店の韓国側施設「平和の家」で、閣僚級会談の会場に入る北朝鮮首席代表、祖国平和統一委員会の李善権委員長(左)と韓国首席代表の趙明均統一相(AFP時事)

 韓国鉄道施設公団の推算によれば、北朝鮮の東海線・西海線は鉄道現代化に38兆1164億ウォン(約3兆8000億円)、2区間の道路現代化には5兆5397億ウォン(約5510億円)が掛かる。総額43兆6561億ウォンだ。高速鉄道化すれば56兆ウォンに膨れ上がる。土地費用と人件費を抜いたものだ。

 この資金は世界銀行やアジア開発銀行の借款ではない。ただで与える金だ。昨年の南の生産可能人口(15~64歳)3762万人で分ければ1人当たり平均最小116万ウォン(約12万円)ずつの負担になる。韓国の家計負債は6月末現在1531兆ウォンに達する。全体国民の37%である約1903万人が1人当たり平均8043万ウォンの借金を抱えているのにだ。

 鉄道をシベリア横断鉄道、中国横断鉄道に連結すれば、それで大金が流れ込んでくるのかというと、金が流れ込むのは韓国でなく北朝鮮だ。南北が統一すれば巨大な内需市場がつくられるというが、それは遠い未来の話で、北朝鮮は貧しく、物が売れる相手ではない。

 北朝鮮の安い労働力と韓国の資本・技術力が結合すれば競争力を持つとも言うが、それは卓上の理屈である。安い労働力ならば北朝鮮でなくても世界あちこちに散在している。北には豊富な地下資源があるともいう。資源がそんなに多いなら、なぜ北朝鮮は貧しいのか。

 ルクセンブルクに拠点を置く資産管理士ユリジョンSLJアセットの統一費用分析では、「今後10年間に2167兆ウォン(約216兆円)の費用が掛かる」としている。生産可能人口1人当たり平均5760万ウォン(約574万円)を負担しなければならない。韓国民は莫大(ばくだい)な借金を抱え、北朝鮮は金持ちとなる。

 韓国は「金」に歳貢(年貢)を献上した「宋」の立場と変わらない。1126年、女真族の金に開封(首都)を落とされ、南に逃亡した宋は毎年莫大な歳貢を捧(ささ)げる条件で攻撃を免れた。歳貢は銀25万両、錦反25万匹。以前は遼と西夏にも年貢を納めた。

 宋はどうなったか。滅びた。なぜか。相手の力はより大きくなり、自身は貧しくなったからだ。南北関係と何が違うのだろうか。心配なのはまさに“歳貢の災い”だ。

(姜浩遠(カンホウォン)論説委員、10月16日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。