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最大の安保危機に直面する韓国


韓国紙セゲイルボ

けなし合いより内部団結図れ

 李明博(イミョンバク)元大統領が、「(側近らに対する事情聴取を)盧武鉉(ノムヒョン)元大統領の死に対する政治報復」だと抗議すると、文在寅(ムンジェイン)大統領は、「怒りの心を禁じられない」と反撃した。以前「(李政権の)盧武鉉捜査は盧政権に対する敵対感から始まった政治報復だ」と非難した文大統領が、報復論議を呼ぶ当事者に変わったのだ。

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握手を交わす北朝鮮アイスホッケー女子のパク・チョルホ監督(右)と韓国のマリー監督=1月25日、韓国・鎮川の練習施設(AFP=時事)

 歴史の車輪は回っている。次の手順は容易に想像がつく。元大統領に続き元々大統領がまな板に乗せられ、国論は完全に分裂していくだろう。生存している元職大統領4人全員が「前科者」に墜落する惨めな歴史を後代に残すことになる。文大統領自らが韓国動乱以後、最大の安保危機だという状況で、これが望ましい状態とは言えない。

 安保の最大脅威は内部分裂である。「獅子身中の虫」という言葉がある。“百獣の王”も外でなく内部で生じた小さい敵によって崩れるという警句だ。国家も同じだ。亡国には外部攻撃より内部葛藤がより大きな禍根として作用する。

 文在寅政府が「積弊清算」の旗を掲げて以来、国民の間の反目と葛藤が深刻化している。一方、北朝鮮は貧困に彷徨(さまよ)いながらも国論だけは一つに固まっている。彼らの手には核とICBM(大陸間弾道ミサイル)まである。

 ならば、まず内部団結を企てることが指導者の責務だが、元々大統領とけなし合いをする現大統領の姿は見るのは情けない。

 肝に銘じる点は過去政権の責任者を断罪しても、彼らはわれわれが除去する敵でないという事実だ。大韓民国号に共に乗っている乗客として、終局には国のために力を合わせなければならない国民だ。北朝鮮と机に向かい合って座りながら、内部の新旧政権どうしが対話できない理由があるのか。

 文大統領は就任の辞で、「2017年5月10日、この日は真の国民統合が始まる日として歴史に記録されるだろう」と述べた。しかし、今日までの言動は、「私を支持しなかった国民一人一人も、また私の国民」といっていた約束とはだいぶ違う。

 今年は大韓民国政府樹立70年を迎える意味深い年だ。夏季冬季五輪を開く9カ国目となり、1人当たり国民所得3万㌦に進入する。最貧国が最先端半導体1位国家になった。そのような奇跡の国で内部争いに国力を使い果たしている。とてもまともではない。

 大韓民国という獅子が国論分裂という虫などに崩れることは断じてあってはならない。

(裵然國(ペヨングク)論説室長、1月26日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。