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近ごろ騒がしい血盟の韓米関係


韓国紙セゲイルボ

同盟で重要な国家間の信頼

 1950年この国は同族間の争いの中にあった。その冬、北朝鮮軍を追った米海兵隊は蓋馬高原長津湖付近で中国人民解放軍に包囲された。敵の銃弾と零下30度の酷寒で若者たちが倒れた。生きた者は爆弾を投げ、穴を掘って死者を埋めた。

康京和氏

25日、ソウル郊外で、韓国に駐留する米陸軍第2歩兵師団を視察し、ヘリコプターに乗る康京和外相(韓国外務省提供・時事)

 海兵は後退しながらも、12万人の共産軍と勇敢に戦った。約7000人の若者が死んだり凍傷で手足を切った。海兵が命で稼いだ時間で、歴史的な興南脱出が可能だった。

 当時、興南港から貨物船メロディスビクトリア号に乗って、巨済島に到着した北朝鮮住民は約1万4000人。一隻の船で最も多い人命を救った記録だった。文在寅大統領の両親と姉も乗っていた。2年後の53年1月、巨済郡明珍里で彼は生まれた。米軍の助けがなかったら、今日の大統領文在寅もなかっただろう。

 25日はビクトリア号の奇跡が起こって67周年になる。残念なことにそのような血盟の韓米関係に、最近は破裂音が騒がしい。

 同盟関係で重要なのは国家間の信頼だ。新政府は前任政府が確定したサード敷地に対する環境影響評価を行うと一騒ぎしている。サードが配備された星州では住民とデモ隊が基地に入る道路を塞(ふさ)ぎ、車両を検問する無法がまかり通っている。

 来年、平沢へ移転する米2師団の送別公演は進歩団体らの脅迫と妨害で失敗に終わった。米装甲車の犠牲になった女子中学生2人の追慕の邪魔になるという理由であった。交通事故で死んだ二つの魂はたたえながら、この地の自由のために命を失った数万の米軍の魂を記憶しない国。自分が米国なら、そのような同盟国を信じることができようか。トランプ大統領が、「韓国は恩知らず」だと言ったという声も聞こえる。

 サード議論は間違って飛び火すれば韓米同盟の亀裂につながる。進歩的人々はサードを米軍保護用だと主張するがもちろん違う。サードは北朝鮮の挑発を事前探知するために絶対必要な武器体系だ。

 長津湖のその日をまた思い出してみよ。かちかちに凍りついた缶詰を刃物で取っている海兵の姿が従軍記者の目に触れた。指は凍っていたし目には涙が溢(あふ)れていた。記者が、「私が全能の神なら、あなたに何をしてあげれば良いのか」と尋ねると、海兵は、「私に明日をください」と答えた。長津湖の海兵が自身の願いを達成したのかは分からない。しかしこれだけは明らかだ。彼らの犠牲のおかげで大統領と5000万国民はいま「自由の明日」を享受できている。

 チャーチルは、「歴史を忘れた民族に未来はない」と言った。明日を与えられたその歴史まで忘却した民族に果たして明日があるだろうか。

(裵然國(ペヨングク)論説室長、6月23日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。