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北弾道ミサイル、潜水艦発射型にも備え万全に


 北朝鮮が東部の咸鏡南道新浦付近の日本海で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を発射した。SLBMは約500㌔飛行した後、日本の防空識別圏に落下した。

 北朝鮮がこれまで発射してきたこの種の弾道ミサイルの飛行距離としてはかなり長いといえ、技術的に一定の水準に達した可能性がある。こうした暴挙は断じて許されないものであり、日本としては迎撃体制をさらに強化しなければならない。

技術的課題を克服か

 北朝鮮は今月3日にも中距離弾道ミサイル「ノドン」を西部から発射。ノドンは約1000㌔飛行した後、秋田県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

 それから1カ月足らずで再び何の予告もなく弾道ミサイルを日本近海に落下させ、いずれも一歩間違えれば近くを航行する日本の船舶や航空機に被害が及ぶ恐れがあった。厳重に抗議して済ませられる問題ではない。

 北朝鮮は昨年からSLBM発射を繰り返し行ってきたが、発射や飛行などに技術的課題が残っているという見方が強く、事実上の失敗とみられていた。

 だが今回は長距離飛行に成功した可能性が高く、課題をある程度克服したようだ。最高指導者の金正恩委員長が今回の発射について「成功中の成功」と自画自賛しているのも、そうした根拠に基づいているのだろう。

 北朝鮮がSLBMを含む各種弾道ミサイルの開発に力を入れているのは、米国との交渉を有利に運ぶ上での政治・外交カードの側面があるとされるが、だからと言って日本が防衛を怠ることはできない。

 特にSLBMの場合、発射の位置や兆候を相手に把握されにくいため地域の安全保障にとって極めて深刻な脅威だ。日本の迎撃ミサイル体制はイージス艦に配備されているSM3と地対空のパトリオット3(PAC3)による二段構えだが、SLBMの迎撃には限界があるとの指摘もあり、万全を期すべきだ。

 今回のSLBM発射に対し、国連安全保障理事会は先月からの一連のミサイル発射を含め、厳しく非難し、安保理決議を確実に順守するよう求める報道機関向けの声明を全会一致で採択し、発表した。

 前回のノドン発射の際には中国が非難声明に反対したため採択が見送られたが、今回は一転して中国が同意した。国際社会の一致した抗議は北朝鮮への圧力となるため、非難声明には大きな意義がある。

 ただ、中国が対北非難声明をめぐる態度を変えたのは、浙江省杭州で来週開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の開催国として国際社会との足並みを揃(そろ)える必要があったからだとされる。中国が北朝鮮の武力挑発に対する非難に同調するのか否かは、国際社会の常識とは別にあくまで自国の事情を優先させた上で判断している可能性があることを忘れてはならない。 

重要な日米韓の連携

 日増しに高まる北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対抗する上で最も重要なのは日米韓3カ国の連携強化だ。ミサイル防衛(MD)の面でも緊密な協力が欠かせない。