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中国扱うベトナムの知恵に学べ


韓国紙セゲイルボ

官民軍挙げて対抗の歴史

 在韓米軍のサード(高高度防衛ミサイル)配備に対する中国の反発が度を越している。遺憾表明どころか、ほとんど“脅迫”である。だが、こうした中国の脅しに臆してはならない。

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6月27日、ベトナムの首都ハノイで、南シナ海問題の平和的解決を目指すことを確認した中国の楊潔 国務委員(左)とベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相(AFP=時事)

 中国に対するベトナムの態度が韓国に大きな教訓を与える。ベトナムはASEAN(東南アジア諸国連合)の中で中国とは2番目に貿易量の多い国だが、中国がベトナムの国益を侵害しようとすれば、官民軍を挙げて対抗した。卑屈な対応はただの一度もなかった。

 1979年初、中国は10万人の兵力を投じてベトナムに侵攻した。中越戦争である。戦況が不利になると10万人をさらに追加投入したものの、中国は散々な目に遭って2万人に達する死傷者を出しベトナムから撤収した。小国が大国に勝ったのだ。

 88年3月、中国が南シナ海スプラトリー諸島の六つの島を占領した。5月には双方の海軍が交戦。ベトナム軍艦3隻が沈没し、約70人が死亡した。劣勢な海軍力で結果は予測できたが、ベトナムは主権を守るために交戦を辞さなかった。

 91年、両国は外交関係を樹立。しかし、南シナ海をめぐる領有権紛争は続いた。2011年5月、中国の巡視船3隻がベトナム中南部のニャチャンから東北へ120㌔㍍離れた海上でベトナム石油・ガス探査船の海底ケーブル線を切った。直ちにハノイ市内で反中デモが広がり、ベトナム首相は32年ぶりに徴兵関連法案に署名した。

 2014年5月には反対の現象が起きた。中国がパラセル諸島近隣に10億㌦の石油ボーリング装備を設置すると、ベトナムが哨戒艦を現場に送って撤収を要求、約30隻の漁船も動員し、中国軍艦3隻と約80隻の中国漁船と衝突した。10日間続いた衝突でベトナム警備隊員9人が負傷し、船舶8隻が破損すると、ベトナムで暴力事態が発生した。中国人所有の数十カ所の工場が焼き打ちに遭い、多くの中国人と華僑がベトナムを脱出した。中国は7月、「石油ボーリング設備の任務が完了し撤収する」と発表した。

 遠い昔の話のようだが、わずか2年前のことだ。2015年4月にはグェン・フー・チョン・ベトナム共産党書記長が中国を訪問して、習近平主席と会談し、11月には中国の習主席が答礼訪問でベトナムを訪ねた。

 ベトナムの経済力と軍事力は中国はもちろん韓国に比べても大幅に落ちる。それでもベトナムは主権国家として委縮したり臆したりせず堂々と大国に対した。だから中国はベトナムを見下さない。小さい損失にこだわれば大きいものを失うのだ。ベトナムは韓国に傍若無人な中国に対してどのように振る舞うべきかを教えている。

(キム・ヨルス誠信女子大教授・国際政治学、8月12日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。