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2年連続G7参加で韓国の地位向上


韓国紙セゲイルボ

対中牽制参加には一線引く

 韓国が2年連続、経済・政治的に「先進国クラブ」と呼ばれる主要7カ国(G7)首脳会議に招待され、一定の成果を上げることによって、国力の成長を対内外に標榜(ひょうぼう)する契機となったと評価されている。同時に固まりつつある民主主義陣営対中国の競争構図において韓国がG7諸国と価値と秩序を共にすることもまた、避けられなくなったという分析が出ている。

各国の首脳と集合写真に納まる韓国の文在寅大統領(前列右から2人目)=12日、英国・コーンウォール(英首相官邸提供)

各国の首脳と集合写真に納まる韓国の文在寅大統領(前列右から2人目)=12日、英国・コーンウォール(英首相官邸提供)

 魏聖洛(ウィソンナク)元駐ロシア大使は14日、「今回のG7会議出席は韓国が数十年間培ってきた経済・政治的地位がG7国家と並び立つほどだと認められたという意味」と評価しつつ、「韓国がG7諸国と価値を共にする国という意味だ」と解釈した。

 魏元大使はさらに、「今日のG7は米国を中心に(民主陣営対中国の)新しい勢力競争の中で、地位を再定立する過程にある」とし、「韓国がこの構図において、米国中心の秩序にさらに数歩近づいたという点も見逃してはならない」と付け加えた。

 先月、韓米首脳会談の共同声明で台湾海峡に言及したことと同じ脈絡で、韓国が米中競争構図の中で米国、すなわち自由民主主義秩序にさらに一歩近付いているということだ。

 政府もまたG7会議参加と2億㌦相当の低開発国ワクチン支援、気候変動・保健・開かれた社会議論への参加などが、韓国の地位向上に及ぼす影響に意味を付与している。

 ただし、今回のG7出席が対中牽制(けんせい)と映ることには相変わらず一線を引いた。崔鍾建(チェジョンゴン)外務次官は同日、G7首脳宣言で中国問題が取り上げられたことについて、「韓国、オーストラリア、インド、南アフリカなど招待国との3度にわたる会議では、そのような議論はなかった」と強調した。

 韓国など招待国も名を連ねた「開かれた社会声明」は民主主義と人権を強調しているが、中国の国名を明示してはいない。

 だが、米国はG7サミットに続き14、15の両日(現地時間)、ベルギーで開かれるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議でも中国牽制を核心議題とするものと見られる。また、トニー・ブリンケン米国務長官は中国に向かって「新型コロナウイルスの起源調査に協力しなければならない」と促した。G7の首脳宣言には「透明で専門家が主導し、科学に基づいた新型コロナウイルスの起源調査がなされなければならない」との文句が入っている。

 キム・ヒョンウク国立外交院教授は、「(G7だけでなく)今後、韓国が米国の主導する国際会議に参加することになれば、中国を牽制する議論は避け難いだろう」として、「米中の間で機械的均衡に安住する時代は終わった」と診断した。

(チョン・ジェヨン・ワシントン特派員、ユ・テヨン、ホン・ジュヒョン記者、6月15日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

ポイント解説

自由陣営に取り込まれた韓国

 G7首脳会議は主催国の権限でゲストを招くことができる。今回はジョンソン英首相が韓国など4カ国を招待した。韓国を除くインド、オーストラリア、南アフリカはいずれも旧英連邦の国々で、特に印豪はクアッドのメンバーでもあるから、ホストの英国が招くのは分かる。

 だが、韓国招待の理由は分かりにくい。ブルームバーグ通信が入手した外交文書によると、日本をはじめ独仏伊は韓国を招くことに強く反対したという。にもかかわらず、韓国招待を押し切ったジョンソン首相の思惑は何だったのか。

 米中の間に立って、どちらにつくか分からない韓国を「主要国」というプラチナカードで釣り上げることだった。記事は「培ってきた経済・政治的地位がG7並み」と自己評価しているが、まさにその自尊心がくすぐられて、韓国は自らジョンソン首相の魚籠(びく)に飛び込んだのだ。だがそこは対中包囲陣営の真っ只(ただ)中だった。

 先の米韓首脳会談でもバイデン米大統領は韓国にクアッド入りを勧めたが、韓国はとりあえず400億㌦の対米投資で逃げ切った。しかし、今回は米英の連続連携プレーで韓国は取り込まれた、ということだ。

 韓国外務省は「中国が議論に上がったことはない」と弁解しているが、中国には通用しない。国立外交院のキム教授の指摘通り、米中の間で曖昧な態度で許された時代は終わった。中国の圧力が今後、どのような形で表れてくるか。それに対抗するには“固い結束”以外にない。それにはまず日韓関係の改善だ。ただ会うというパフォーマンスは意味がない。段階を経た入念な準備から取り掛かるべきだ。

(岩崎 哲)